2017年6月29日木曜日

静岡県でBiz版地方創生会議が

 時事通信社の「官庁速報」によると、静岡県富士市が、中小企業向けの経営支援で有名な 富士市産業支援センター(f―Biz/エフビズ) からノウハウを学んだ全国の15市町の首長らを集めて、「Biz版地方創生会議」を開催するとのことです。
 f―Bizは、富士市が平成20年8月にオープンさせた中小企業支援機関で、運営費は市が支出し、中小企業者は無料で経営相談を受けることができます。小出宗昭センター長を中心としたスタッフによる、販路開拓や創業などへの的確なアドバイスが支持を得て相談件数は年々増加し、平成28年度は4400件という驚異的な実績にのぼりました。
 一方で、市や町といった基礎自治体がf―Bizで職員研修などを受けた上で、同様の事業を始めるケースも全国で次々生まれています。そこで、こうした自治体同士が集まり、地域産業活性化の意義などを話し合う場を設けることにしたとのことです。(「よろず支援」モデル市町が結集=中小企業コンサルで意見交換―静岡県富士市/2017年6月29日)

 Biz版地方創生会議には富士市のほか、独自にBizを開設している愛知県岡崎市、広島県福山市、長崎県新上五島町などの12市町と、現在開設準備中の千葉県木更津市、京都府福知山市、島根県邑南町の3市町が参加するそうで、平成30年度には首長による「全国Bizサミット」に格上げして全国発信していくとのことです。


 官庁速報には
f―Bizは、中小企業庁が都道府県ごとに展開する中小企業の相談窓口「よろず支援拠点」のモデルにもなっており・・・
 とありますが、これはミスリードです。
 各都道府県には、県庁などが出捐する「なになに県産業振興公社」とか「どこどこ県中小企業支援センター」などという名称の外郭団体があります。これらは高度成長期に、中小企業の下請けあっせんや運転資金の貸し付け、設備貸与(リース)などを行うために設立された財団法人が母体で、21世紀の今、社会的な使命は終えつつあると言えます。
 しかし行政はいったん作った仕組みをやめることがなかなかできないので、経済産業省は、すでに全国には商工会議所や商工会があるにもかかわらず、中小企業のワンストップ支援機関と称して、こうした外郭団体を生き残らせるためにいろいろな理屈を上書きしながら巨額の予算を投じてきました。
 「よろず支援拠点」がf―Bizをモデルにしたというのも、そうした予算獲得のための経産省による財務省向けの方便に過ぎなかったのではないかとわしは感じています。

■はんわしの評論家気取り 「よろず支援拠点」というラビリンス(2014年2月24日)

 興味深いのは、ほかならぬf―Bizの小出センター長も自身のブログで
経済産業省内では『f-Bizモデル』あるいは『小出モデル』などと呼ばれています。
名前を冠していただくことは光栄なことですが、2014年から事業開始以来「よろず」の取り組みとf-Biz流とはかなり大きな違いがあり年々それは拡大しているように感じています。
 と書いていることです。

■みんなのビジネスを応援する小出宗昭の日記
  よろず支援拠点の取り組みとf-Biz流の違いについて・・・(2017年06月12日)

 わしは「よろず支援拠点」でもそれなりに中小企業者の支持を得ているところがあるのを知っているし、Bizにも課題があることも側聞しています。
 しかし間違いなく言えるのは、中小企業と一口に言っても、個人事業主から数百人の従業員を抱える中堅企業まで幅が広く、農林水産業、建設業、製造業、商業、サービス業と業種も業態も多様で、千差万別さまざまな経営課題を抱える経営者に、一つの県で一カ所が ~地理的制約だけでなく、組織や体制が硬直化している意味で~ 対応できる時代はとうに終わっているということです。
 また、商工会議所や商工会も、本質は「経営者団体」もしくは「地域のミニ財界」であって、やはり多様な利害が絡まる中小企業のニーズにフットワークよく応えられていない面があるもの事実です。
 そこで、多くの市町(村)がBizの開設に動き、センター長は全国から公募して高額な年俸を払う代わりに、プロのコンサルタントして中小企業を活性化することを約束してもらうやり方がじわじわ普及してきたと言えるでしょう。本物しか求められていないということなのです。

 8月3日、富士市文化会館ロゼシアターで開催されるという「Biz版地方創生会議」。地域産業支援関係者だけでなく、自治体や金融機関、研究者など多くの関心を集めるものとなりそうです。

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