2017年6月19日月曜日

ギンザシックスに行ってみた

 今年4月、東京・銀座にオープンした GINZA SIX(ギンザシックス) に行ってきました。
 ギンザシックスは銀座6丁目にあった松坂屋銀座店の跡地に建設された、4万7000平方メートルもの床面積を有する巨大商業施設。事業主であるJ.フロントリテイリングは百貨店の老舗である大丸と松坂屋が合併して誕生した会社ですが、この背景には量販店や専門店の進出による百貨店というビジネスモデルの長期衰退があります。ギンザシックスも「脱・百貨店」のコンセプトで建設されたものと報じられ、実際にJ社の山本良一社長は東洋経済の取材に「呉服屋から百貨店に変わったのと同等レベルの大きな変革をしていかないといけない」と語っており、イノベーションの具現化がこのギンザシックスであることが垣間見えます。
 わしも前々から関心はあったのだけれど、銀座に行くような用事もなく、週末、偶然に東京に行く機会があったので、ほんの1時間ほどですが行ってみました。
 結論から言えば、わしには生涯縁がない高級ブランドの集積地でしたが、店内のデザインやインテリアなどはやはり非常に非凡なものを感じたのでメモしておきます。




 買い物客や観光客でごった返す銀座。外国人も多く、今話題の場所だということもあってか、次々とたくさんの人が吸い込まれていきます。
 建物に入るとすぐに、松坂屋銀座店跡を示すプレートがあります。


 ギンザシックスの店舗構成や、店内の様子はホームページのほか、日経トレンディなどウェブにも多く掲載されているのでそれをご覧いただきたいのですが、確かに現在の商業施設が一種の分水嶺にあると感じるのは、かつてはデパート内は全面撮影禁止でしたが、SNS時代の今はあえて撮影解禁(黙認?)のところも多いことです。
 ギンザシックスもこのような看板がありました。
 

 2階から5階にかけて中央は大きな吹き抜けになっており、その周囲4カ所にエスカレーターが配置されています。これだけでもかなりのスケール感があるのですが。
 その吹き抜けには草間彌生氏の手になる奇妙なオブジェがブラ下げられています。


 わしにはこのアートの良さが今ひとつ理解できないのですが、何にしろ、こういった演出がある商業施設は国内でもそうないでしょう。以前このブログで、名古屋でオープンしたJRゲートタワーの(インテリアの)つまらなさを書きましたが、それとは対極にあるラグジュアリー感です。本当にアートがわかるかどうかはともかく、アートを取り入れようという姿勢はしっかりしているのです。これは東京なのだからか、銀座なのだからか、それともここギンザシックスなのだからかはわかりません。
 ちなみに、アートインスタレーション・パブリックアートの監修は森美術館が行っているとのこと。(リンクはこちら

 売り場はこんな感じです。
 一般的なデパートのようにフロアーがオープンな売り場はあまりなくて、ブティックや専門店の個店が集合している、ショッピングモール的な構成になっています。


 ネダンは銀座価格というほかなく、十数万円のジャケットだの3万円のネクタイだのをわしが買えるはずもありません。
 しかし、この写真にも右にちらっと写っているように、各フロアには休憩コーナーみたいなのがあって、本を読んだり、スマホをしている人も結構います。こうやって時間をつぶすのもアリかなあと。

 6階に行くと、蔦屋書店がありました。代官山や大阪・枚方と同じようなコンセプトですが、ここ銀座店は「アートと日本文化」が品ぞろえのテーマだとのことで、併設されているスターバックスには、いかにもアートな人生を送っているとお見受けするアバンギャルドなお客さんたちが蝟集していました。地方都市では絶対に見かけない空間です。

 また、同じ6階には「銀座大食堂」という、究極のフードコートとも呼ぶべきホール型のレストラン街があります。寿司とか鰻とかはまだいいのですが、超一流シェフによる実験的(?)な創作料理の店なんかもあって、やはりアーティスティック&リッチな方でないと、そもそも入ってみようという気にすらなりません。それが人であふれているのですから東京はスゴイっす。
 日本には、東京という国と、地方という国(正確には東京以外という国)の2つがある、とはよく聞く日本評ですが、この場に来ると本当にそのことが実感されます。

 わしは地域経済活性化に行政の立場から関わっているわけですが、最近の地方創生ブームで、全国の地方自治体は特産品の売り込み競争、観光地への誘客競争になっており、ますます熾烈さを増しています。その中で、東京を中心とした首都圏のマーケットに売り込むこと、さらにそこからセグメントして「リッチな層」をターゲットにしよう、という声もよく聞きます。
 しかし、実際にギンザシックスでバンバン買い物をしているような本当にリッチな客が考えていること、つまり、ニーズとかウォンツが、地方の生産者や中小企業、自治体関係者に本当に理解できているのか、いや、そもそも理解することなどできるのか、という「とまどい」も感じる時があります。

 ギンザシックスでのごく短い滞在で、わしはやはりそのことを考えざるを得ませんでした。
 全国の自治体が東京都内に競って作っているアンテナショップは、結局はやはりマスマーケット向けの装置に過ぎないのであって、これから必要になる高級市場(高級消費者層)に受けたマーケティングに本当につながっているのだろうか、という疑問です。

■ギンザシックス  https://ginza6.tokyo/

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