2017年6月17日土曜日

公開で直接討論しらたらどうか?

 一部の自治体による高額返礼品が全国で問題となっている「ふるさと納税」制度ですが、国(総務省)が5月24日、三重県鳥羽市と志摩市に対して(両市が返礼品に使っている)「真珠製品は資産性の高い宝飾品に当たる」ことを理由に返礼品から削除するよう要請する文書の送付があったと各紙が報じています。
 この文書は4月1日に総務大臣が全国の自治体に対して、①返礼品額の上限の目安を3割とする、②宝飾品や時計、カメラなどは返礼品に加えない、③高額な物品は返礼品にしない、などを趣旨とした通知を送ったことを受けて、総務省市町村税課長名で送られてきたものだそうで、志摩市の竹内市長は「真珠は地場産業の根幹で容認はできない」、「(市内の)真珠生産額が160億円あったピーク時の4分の1まで落ち込む中、(伊勢志摩)サミットやふるさと納税で回復傾向に転じた。宝飾品ではなく魚介類と同じ水産物」と反発し、鳥羽市や、真珠養殖が盛んな長崎市などと連携して国への働きかけを強めていくと述べたとのことです。(5月31日付け毎日新聞、伊勢新聞など)



 地元の真珠養殖業者からは今回の総務省の通知に対して「なぜ真珠だけ差別されるのか」などと憤りの声が上がっており(6月1日付け中日新聞)、三重県の鈴木知事は6月9日、「返礼品の競争が過度にならないようにすることは大事。重く受け止めなければならない」としつつ「地域の産業振興も大事。両市の考えも理解できる」と述べ、三重県が「中立の立場」として参加する、総務省と鳥羽、志摩両市による意見交換の場を調整していると説明しました。(6月10日付け伊勢新聞)

 確かにこの問題において三重県の立場は微妙です。国に意見具申する立場でも、市町村を指導する立場でもないが、中二階にあって知らぬ顔を決め込むこともできません。
 また、実際問題として志摩市は平成28年度には7億8000万円、鳥羽市も寄付額は5億4700万円ものふるさと納税寄付額を得ており、三重県内ではともに上位です。
 この事実も無視できないし、現在の三重県は市や町に対してリーダーシップを発揮できるような政治力もないので、「第三者として話し合いのテーブルを設ける」という、要するに最初から腰が引けたどっちつかずの態度しかとれないのです。
 
 一方で、三重県内でも、ふるさと納税制度によって受ける寄付額よりも、本来は市に入るはずだった税に対する控除額のほうが上回る「赤字状態」が累計で1億3000万円にも達し、「減収が住民サービスの低下につながる」として非常事態宣言を出した四日市市のように、ふるさと納税制度のゆがみを厳しく指摘する地方自治体は全国で声を上げています。(以前このブログにも書きました。リンクはこちら

 真珠はもちろん水産物ですが、用途が宝飾品なのは子供でも分かることで、総務省が返礼品の対象外とするように指導するのは差別でも何でもなく当然のことです。しかし、こういった社会常識を、地方自治体の側では ~県も、市町村も~ 自ら声に出して言うところがないので、国を巻き込んだ不必要な三すくみになってしまい、時間ばかりが過ぎてしまいます。
 この解決には、法的な根拠もなく、おそらく結論も出ない「意見交換の場」ではなく、総務省の文書の不当性を訴える民事訴訟を起こすか、国地方係争処理委員会にかけるかしたほうがよほど正当な方法でしょうし、関係者に一石を投じることになるのでしょう。

 もっと言えば、「総務省」対「指導を受けた自治体」の対決では、どこまでいっても平行線です。むしろ総務省こそ「中立の立場」に立ってもらい、(鳥羽市、志摩市のように)「高額返礼を行っている自治体」対(四日市市のように)「返礼制限を支持している自治体」の首長や議長どうしで、オープンで意見を戦わせるほうが、よほど本質的な解決に近づくでしょう。
 自治体は何でも国(とか県)に文句を言うのでなく、市長会とか町村長会とかがあるのだから、そこを使って自分たちで話し合い、自分たちの知恵で解決策を導き出すべきなのです。 

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